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就活浪人のキャリア論 ─ 運営者「ゆう」
就活浪人を経てベネッセ・リクルートから内定。
300名超の就活相談から得た「自分を正確に伝える力」を発信しています。
■ 業界研究と企業研究の違いが分からない人
■ 企業研究をしたつもりだが面接で使えていない人
■ 「なぜ当社なの?」に自信を持って答えられるようにしたい人
就活生がよく陥るのが「企業のHPを読み込んで企業情報マスターになったつもりになる」パターンです。しかし、企業情報を覚えることと、企業研究ができることはまったく別物です。
この記事では、業界研究との違いから始まり、IR・中期経営計画の読み方・OB訪問での深掘り方法・ESや面接への落とし込み方・完了の基準まで、実践的な企業研究のやり方をまとめます。

教育業界を志望していた経験から、企業研究が志望動機の質をどう変えるかを実感しました。具体的なやり方をお伝えします。
業界研究と企業研究の違い
企業研究を始める前に、業界研究との違いを明確にしておきましょう。
💡 業界研究と企業研究の違い
業界研究:誰にどんなサービスを提供することで利益を得ているのか・そのサービスによってどんな人の役に立っているのかを理解すること。同じ業界であれば利益を得るまでの大まかな流れは同じ。
企業研究:「誰にどんなサービスを提供することで利益を得ているのか」という部分をより深く理解すること。外から見ると同じように見える企業同士でも、利益の得方やターゲットとなる顧客が異なっている。
具体例として、印刷業界の大手2社である凸版印刷と大日本印刷の違いを見てみましょう。同じ「印刷業界」の企業でも、事業の強みやターゲットが異なります。
| 凸版印刷 | 大日本印刷 | |
|---|---|---|
| 注力事業 | 情報コミュニケーション・生活・エレクトロニクス | 情報イノベーション・生活空間・ABC(飲食・書籍等) |
| 強みの方向性 | セキュリティ・IC関連に強み | 書籍・出版・生活空間(書店・飲食)に強み |
| 特徴 | パスポートや銀行カードなどセキュリティ印刷に注力 | 丸善・ジュンク堂などの書店事業・飲食事業も展開 |
このように、同じ「印刷業界」でも事業の強みやターゲットが大きく異なります。この違いを理解した上で「なぜ凸版印刷でなく大日本印刷なのか(またはその逆)」を言語化できることが企業研究の目標です。
企業研究を始めるタイミング
企業研究はインターン前や志望企業が決まった段階から始めましょう。その際には、気になる企業だけでなく競合となる企業との違いを意識して研究することが大切です。
企業研究の3ステップ
STEP1:業界地図でざっくりとした規模・立ち位置を把握する
まず業界内での各企業の規模感・シェア・立ち位置を業界地図で把握しましょう。業界地図を使うことで、志望企業が業界の中でどんなポジションにいるかが一目で分かります。
STEP2:IR情報・中期経営計画で企業の戦略を理解する
企業ごとの戦略の違いはIR情報や中期経営計画を見ると把握できます。
💡 IR情報・中期経営計画で確認すること
・今後注力する事業の方向性
・売上・利益の推移(成長しているか・縮小しているか)
・競合他社と比較した自社の強み・弱み
・今後の投資先・新規事業の動向
ただし、これらはネットや本から取れる情報のため、他の就活生も同じ情報を持っています。この段階の情報だけでは差別化につながりません。
⚠️ 「企業情報マスター」で止まっている就活生が多い
HPやIRで企業が何をやっているかだけを調べて満足してしまうのが「やった気になっているだけ」の企業研究です。差別化ポイントを明確にするだけでなく、「その差別化ポイントが自分にとってなぜ重要なのか」まで落とし込めて初めて面接やESで役立つ企業研究になります。
STEP3:OB訪問で業務レベルの理解を得る
本当に他の就活生と差をつけたいのであれば、OB訪問を通して業務レベルの内容を理解することが最も重要です。ネットや本では得られない「現場のリアル」を引き出すことで、他の就活生が書けない内容をESや面接で語れるようになります。
💡 OB訪問で聞くべき企業研究の質問
・競合他社と比べて、現場で感じる自社の強み・弱みは何か
・今後の事業の方向性について、現場ではどう感じているか
・自分のガクチカを伝えた上で、その力が活きる場面があるか
・入社前後で一番ギャップを感じたことは何か
企業研究をESと面接に落とし込む方法

企業研究の最終目的はESと面接で使えることです。私が教育業界を受けていた時の例をお伝えします。
教育業界では、企業によってターゲットとなる学生の学力層や「学力以外にどんな力を伸ばそうとしているか」が異なっていました。私の場合は、自分の経験から「実現したい世界観」と「企業が行っているサポート内容」を紐づけることで、「他の企業では私がやりたいことは実現できない」ということを面接官に伝えることができました。
💡 企業研究をESに落とし込む3ステップ
1. 企業の差別化ポイント(サービスのターゲット・強み)を競合と比較して言語化する
2. その差別化ポイントが「自分の経験・やりたいこと」とどう結びつくかを考える
3. 「なぜ競合他社ではなくこの企業でなければならないのか」を一言で言えるようにする
企業研究の「完了」の基準
💡 企業研究の完了基準
実際に志望する企業で働く社員に話をしてみて、「それはうちじゃないとできないね」と言ってもらえるレベルになること。
逆に言えば、「その内容レベルであれば他の企業でも良い」と判断されるようであれば、企業理解がまだ甘いということです。
この基準を意識することで、「企業情報を覚えただけ」の状態から「この企業でなければならない理由を語れる」状態への距離が明確になります。
企業研究ノートの作り方
複数企業を研究する際、情報を頭の中だけで整理しようとすると混乱します。企業ごとに情報をまとめる「企業研究ノート」を作ることで、比較・志望動機への落とし込みがスムーズになります。
💡 企業研究ノートに記録すべき項目
基本情報:企業名・売上・従業員数・主要事業・設立年
強み・差別化:競合他社と比べた強み・独自技術・市場ポジション
将来の方向性:中計の重点施策・新規事業・海外展開の計画
社風・働き方:口コミサイトで見えた社風・平均残業時間・離職率
志望動機メモ:「なぜここか」の根拠となる気づき・OB訪問での発言メモ
選考情報:選考フロー・Webテストの種類・過去のES設問
ツールはNotionやGoogleスプレッドシートで複数企業を横並びに比較できる形が最も使いやすいです。OB訪問中のメモ用にはノートアプリや紙のノートも活用しましょう。
口コミサイトで社風・リアルを把握する
IR情報・採用サイトは「企業が見せたい情報」しか載っていません。働く実態を把握するために口コミサイトを併用することが重要です。
| サービス | 得られる情報 | 注意点 |
|---|---|---|
| OpenWork(オープンワーク) | 社員・OBの本音の口コミ・残業時間・年収データ | ネガティブな投稿が多い傾向。複数の口コミを総合的に判断する |
| Wantedly | スタートアップ・ベンチャーの社員インタビュー・社風の発信 | ポジティブな情報が多め。口コミサイトと組み合わせて使う |
| ワンキャリア・就活会議 | 選考体験談・通過ESの構成・面接の質問傾向 | 選考対策に有効。ESのコピーは絶対にNG |
非上場企業・ベンチャーの企業研究方法
上場企業はIR情報・有価証券報告書が公開されていますが、非上場企業にはこれらがありません。ベンチャー・中小企業志望の場合は以下の方法で情報を集めましょう。
💡 非上場企業・ベンチャーの情報収集方法
プレスリリース(PR TIMES等):新サービス・資金調達・業務提携など最新の動向が分かる
Wantedly:スタートアップの社員インタビュー・社風の発信が豊富
Crunchbase・INITIAL:資金調達額・投資家情報。ベンチャーの財務状況の代替情報として活用
代表のSNS・ブログ:経営者の思想・事業への本気度が分かる一次情報
OB訪問:非上場企業は情報が少ないため、社員から直接聞く価値が上場企業以上に高い
💡 ベンチャー志望者が特に確認すべきこと
✔ 直近の資金調達状況(シリーズA〜Cなど)と調達金額の規模
✔ 黒字化しているか・赤字の場合はいつ黒字化する見込みか
✔ 創業者・経営陣のバックグラウンドと事業への本気度
✔ 離職率・退職者の傾向(LinkedInやOpenWorkで確認)
企業研究は何社・いつから始めるべきか
💡 企業研究の推奨タイムラインと目安社数
大学3年 夏(7〜9月):インターンを通じて気になる企業リストを作る段階。広く浅く
大学3年 秋〜冬(10〜12月):志望業界内の主要企業10〜20社をSTEP1〜2(業界地図・IR)で調べる
大学3年 冬〜春(1〜2月):本命企業3〜5社をSTEP3(OB訪問)まで深掘りする
大学4年 3月〜:本エントリーに向けて最終確認
社数の目安:広く浅く(業界地図・IR確認)は10〜20社、深く(OB訪問・中計まで)は3〜5社が現実的です。全社を深く研究しようとすると時間が足りなくなります。
まとめ:企業研究のやり方

💡 重要なポイントのおさらい
✔ 業界研究=サービスの大枠理解。企業研究=同業界内での差別化ポイントの深掘り
✔ 企業研究は業界地図→IR・中期経営計画→OB訪問の3段階で進める
✔ HPを読んで企業情報マスターになるだけでは不十分。差別化ポイントが自分にとってなぜ重要かまで落とし込む
✔ 完了基準は「社員に『それはうちじゃないとできないね』と言ってもらえるレベル」
✔ 最終的には「なぜ競合他社ではなくこの企業でなければならないのか」を一言で言えることを目指す







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