私が営業でのプレイングマネージャーをしていた時に、個人目標は達成見込み(課内トップ)かつチーム目標も唯一達成見込みにも関わらず、上司からは課内最低評価をもらったことで、モチベーションが一気に0になった経験があります。
課内では「●●さんいなかったら、絶対回っていないです」と言われるレベルでしたし、自分自身も間違いなく良い評価を頂けると思っていたので、「こんなところ辞めてやる!」と考えるようになりました。
そんな経験から、上司が部下を評価するということの重要性を考えるようになりました。
今回は、評価の重要性と納得度のある評価の仕方、伝え方についてまとめていきます!
そもそも評価ってなんだ?
評価ってするのも、されるのも難しいですよね。まずは評価そもそもの理解を深めましょう!
評価とは
どんな企業でも、少なくとも年に1回は人事評価を行う機会があると思いますが、評価って何でしょうか?
基本的にはその組織に存在する意義や価値を具体化したものは評価になります。
つまり、評価が高い人というのは、その組織において価値が高い=居続けてほしい人ということになりますね。居続けてほしいと思ってもらえるということは、貴重な存在ということでもあります。
評価のからくりを理解しよう
評価に対する感じ方のギャップ
では先ほどあったように、高い評価をもらえたらみんな嬉しくなるのでしょうか?
答えはNoです。
逆に低い評価をもらったら、悲しくなるのでしょうか?
それも答えはNoです。
この状況を正しく理解するために、「あなた自身は最悪だと思っていたのに、思ったよりもそうではなかった」という場合をイメージしてみてください。
おそらく、その場合は悲しいけど、思ったよりは悪くないということで、意外と嬉しいという部分もあるはずです。
つまり評価に対する感じ方というのは、
評価に対する感じ方=上司の評価―部下の評価
ということになります。
納得度の高い評価を目指すために
評価についての理解が深まったら、評価に対する納得度の理解を深めましょう!
納得度の高い評価とは
評価に対する感じ方にギャップがない状態=納得度の高い評価になります。
そのために大切になってくるのが、上司と部下の間で評価に差が出ないように目標の透過性を高めることです。
例えば「新規契約をたくさん取ってきたらA評価」とあっても、たくさんってどれくらい?というのが解釈に幅があるため、評価の差が生まれやすくなってしまいます。
では「新規契約を毎月5件取ってきたらA評価、5件未満はB評価」はどうでしょうか?
これも実は難しい問題が発生します。
例えば、提案している商材によって、売れやすい月と売れにくい月が発生するケースもあります。そうなると、6月は10件取れたが、7月は1件しかとれなかったということもありえます。
この場合、確かに毎月5件という目標は達成できていませんが、月平均で見ると5件は達成できていますよね。
そうなると、上司は「毎月は取っていないからB評価」となり、部下は「合計は毎月5件に相当するんだからA評価」となるかもしれません。
ここですり合わせておかないといけないのは、本当に「毎月5件」が大切なのか?それとも「月平均5件」でもいいのか?ということです。
上司からしたら、「売れない時期もあるのは分かっている。だからこそ、毎月コンスタントに売れる人をプラス評価の対象にしたい」という意図かもしれませんし、そこまでの意図はなく「毎月」と表現をしているかもしれません。
意図のない表現をしてしまうことは評価を下す際に、部下のモチベーションを下げてしまう可能性があるので、文言1つ1つに対して、本当にこの表現でいいのか?を確認しましょう。
数値化しにくい目標をどうやって数値化するか?
残念ながら、実はこれも違います。(そろそろ早く結論を言えと言われそうですがもう少しお付き合いください笑)
数値化しにくいケースとしては
・OJTをしている新人が成長したか
・部の雰囲気が良くなった
・理念が浸透したか
などなど、いくつもあげられます。
数値化できていない理由を紐解くと、大半は抽象的な言葉が、状態のままだからです。
「新人が成長」とあれば、新人にどう成長してほしいのか?それはなぜなのか?を落とし込むことが必要です。当たり前ですが、業務内容によって成長の定義は異なります。企画職であれば「新規企画を年に5回以上提出し、2件以上採用される」などと具体化した内容にできるでしょうし、営業職であれば「新規顧客を月に10件以上見つけ、1件の新規採用を獲得する」などと設定できるでしょう。
余談:数値目標は立てられても検証方法がないというのは最悪な目標設定
上司は目標をおろすだけおろして、部下がそれに従うというケースが多いかと思いますが、検証方法がないケースというのは最悪な目標設定です。
なぜなら上司側の設定はできても、部下側は検証ができないからです。検証できないということは、客観的に評価ができないことを意味します。つまり、上司と部下で評価にギャップが発生する可能性があるということです。
例えば、1日平均2件の新規顧客開拓を目標としてた時に、新規顧客開拓数をカウントできる仕組みがない(営業日報のような仕組みがない)というケースです。
検証方法がないなら、検証方法を作り出す必要があり、それができないなら検証方法を確立すること自体を目標の1つとすべきです。
余談:達成できない数値を目標にしているのも最悪な目標設定
達成できないと聞くと、対目標150%のような目標をイメージするかもしれませんが、そうではなく、変化させにくい目標をここでは指します。
「厳しい目標」というのと「変化させにくい目標」というのは似て非なる目標です。
イメージしやすくすために体重と身長を例に挙げますね。
体重80キロの人が、1年後に60キロを目指すというのは厳しい目標となりますが、達成できる可能性は残りますよね。逆に身長170センチの人に、1年後に175センチを目指してくださいと言っても、伸びる可能性はあれど、
厳しい目標というのは、採用数が縮小しているサービスの解約率を下げるという類の、難しいが動かせる可能性があるケースを指します。
一方で、変化させにくい目標というのは、ほぼ再契約の実績がないのにも関わらず、「1度解約した顧客を1年以内に再契約していただく」というようなものです。
変えられない目標に対する評価割合を大きくすると「変えられない目標に重きがある組織=頑張っても報われない組織」という不満につながるため、変えにくい目標を設定する場合は、メンバーが納得する意図をしっかりと伝える、評価の割合を下げるなど、工夫が必要です。
まとめ
では最後に、SaaS系がマッチしやすい人についてお伝えしますね!
人事評価における目標設定についてまとめました。
人事評価というのは人生で限られた回数しか行われませんが、1回の影響は大きいです。たった1回の評価で妥当性がないことがきっかけで、転職を検討したり、信頼が揺らいだりするからこそ、大切に扱いたいですね。
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